2025/10/31 15:54

8月に予約したRicoh GR4がようやく届く。
この3か月待つことが、いつの間にか体験の一部になっていた。
効率がすべての時代に、ただ待つというアナログな時間。



長い3か月

8月にビックカメラでRicoh GR4を予約。
入荷時期は未定なのに支払いは全額前払い
加えて支払いはビックカメラのクレジットカードのみ対応というハードな予約条件。

はじめて聞く条件にこれすらイベントに思えた。
予約で悩むなんてはじめてだし入手を想像すると
遠足の当日まであれこれ考えるのに似ている。

発売日にSNSでは「届いた!」という投稿が流れ
メルカリでは定価を超える取引。
何度も買ってしまおうかと思ったが
やっぱりそれは違う気がした。
GRはそういう買い方が似合わない。

そして10月末。
「入荷予定日」というメール。
その短い一文に3か月分の時間が凝縮されているよう。
待つことさえも体験の一部になる。




手に入らないことも、ひとつの文化

AIが生活や業務を効率化し
多くのカメラが速さや便利さで語られる。
そんな中で思った通りにならないもどかしさ。

待つ時間があるからこそ
調べたり考える時間が生まれる。
いちはやく入手したところで
それが即、新しい表現につながるわけでもない。

このカメラはスペックよりも思想を優先させてきた。
ズームもない派手な機能もない。
それでも多くの人が惹かれる。

便利じゃないのに魅力がある。
それはマーケティングではなく信念の選択。
GRは変わらないことで時代と対峙している。





思想を背負う

世の中には便利なカメラがいくらでもある。
でも、思想を背負ったカメラはほとんどない。

Leicaが伝統の象徴だとすれば
Ricoh GRはカルチャーの象徴だ。
Leicaがクラフトマンシップを磨いてきたように
Ricoh GRは日常のリアルと感性を磨いてきた。

・Leica = 伝統の象徴
・GR =カルチャーの象徴


M型Leicaがいまだに光学のレンジファインダーを搭載するように
効率が必ずしも魅力となるわけではない。

どちらも、ただの道具ではなく使う人の考え方や感性を映すもの。
Leicaが歴史を背負うなら、GRは息遣いを背負っている。

そしてGRはスペックではなく姿勢で語られるカメラだ。
それはライカのようにGRもGRを所有すること自体にも価値がある。

時代に合わせながら時代に流されない。
変わらないから新しい。





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