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手製本「ほころび」123部 限定

¥3,850 税込

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手製本 「ほころび」

発行者 :武藤 裕也
発行日 :2021年6月24日
サイズ  :20cm × 20cm
ページ数:ソフトカバー全40ページ *サイン入り
限定部数:123部

2021年6月リコーイメージングスクエア東京で開催された写真展「ピアニシモ」と同時に発刊。

【仕様】
・表紙にはトレーシングペーパー、本体には薄く繊細な上質紙を使用。
・印刷、綴じ、裁断までの全工程を作家自身の手作業により製作しています。
・綴じ糸は掲載画像と異なるものを使用する場合がございます。
・繊細な作りとなっています。綿毛を手にとるように、そっとお取り扱いください。

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浮き沈みがありながらも社会は進展していくものだ。
しかし、2020年は誰もが想像していない程の事態となった。
僅かな「綻び」がいつしか収集の付かないほつれとなり
際限なく広がっていった。

一変した生活、有り余る時間の中で
私は自宅から徒歩圏内の植物を採集するようになった。
柔らかに日常を彩るタンポポの花は、
見頃を終えると閉じた花弁が蕾のようになり、
やがて、綿毛となって再び部屋を明るくする。

タンポポの綿毛は、見るほどに手に取るほどに不思議なものだ。
白色が透けたような球体になる植物は他になく、
そっと触れるだけでその形は崩れてしまう。
頼りなげな綿毛の一つ一つは、
やがてそよ風に乗って自らの使命を果たしに行く。

「綻び」という言葉は、
布がほつれる、縫い目がほどけるという定型の乱れを表す一方で、
固かったつぼみが少し開くという明るい兆しの意味合いをまた持つ。

そう気が付くと、こんな状況にありながらも、
綿毛を眺めながら前向きな、願うような感情が湧いてくる。
自然は長い時間をかけて変わらぬ営みを繰り返し、
静かに新しい命をつなぐ。

綻びほつれたこの大きな境目の向こうにも、
やがて回生の一端を見出せるのかもしれない。

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武藤 裕也 (むとう ゆうや)

自動車設計・開発業務から一転、フォトグラファーへ。

【個展】
2010 年 「雪とけて それから」 富士フイルムフォトサロン
2013 年 「はじまりの唄」 キヤノンギャラリー銀座・梅田・福岡
2016 年 「一滴の継承」 キヤノンギャラリー 銀座・梅田・福岡
2021 年 「ピアニシモ」 リコーイメージングスクエア東京

http://photo-muto.com


【写真展図録「ピアニシモ」・手製本「ほころび」の違いや制作経緯】

写真展図録「ピアニシモ」と手製本「ほころび」、それぞれの解説や製作経緯についての動画です。


【手製本「ほころび」中綴じ(糸)〜断裁 制作シーン】

手製本「ほころび」の製作シーンの動画です。
(紙の擦れる音・乾いた音が好きな人向け、ぼんやり眺める用)

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