2025/11/15 14:54
もし、富士山の頂上までエスカレーターをつけたら
誰でも簡単に登れるようになる。
でも、登山の達成感は味わえない。
努力を奪うことは感動を奪うことでもある。
カメラの世界も似ている。

カメラの進化
🎞️ 1950〜70年代|フィルムの時代
ピントも露出もすべて手動。
写真を撮ること自体が職人的であった。
⚙️ 1980〜90年代|オートの時代
オートフォーカスや自動露出が普及し失敗が減った。
💾 2000年代|デジタルの時代
その場で確認して撮り直せる便利さが当たり前になる
📱 2010年代|スマホとSNSの時代
1億総カメラマン時代。
🤖 2020年代〜|AIの時代
光も構図も処理も自動化され撮るとともに生成するようになる。
さらに、Adobe Photoshop 2026では
一枚の人物写真からポーズを自在に変え
Adobe Stock の素材を自由に組み合わせるなど、生成することが前提になる。
こちらは以前からPhotoshopに備わる機能、生成塗りつぶしで作った1枚。

便利では届かないところ
便利さが進んだカメラの世界では
フィルムのころにあった露出の失敗やフィルムの入れ忘れもなくなる。
ポジフィルムでは積極的に使われていたブラケット撮影を知らない人も増え
構図ガイドや水準器があたりまえに表示されることで、失敗の余地はますます減っていく。
便利な一方で
自分で撮ったという実感は少しずつ薄れていく。
迷いも寄り道もなくなることで自分らしさまで奪われてしまう。
だからこそ、フィルムのような手間のある作業や
電源を入れてシャッターを押すだけの Ricoh GR のようなシンプルなカメラには
考える余白が残っている気がする。
どこか不自由な小さな選択の積み重ねが
撮る時間に自分を戻してくれる。
いまの時代に、あえてシンプルでいてくれるGRは
ちょっとした安心のような存在だ。
余計なものがないからこそ
撮るという行為そのものに自分が戻ってくる。
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