2025/06/02 18:01
MONO GRAPHY Camera & Art(小伝馬町)にて、Ricoh GRで撮影をした写真展を開催しています。今回の作品は2016年から2024年まで、旅先のモンゴルを撮り続けてきました。私にとってこのカメラの魅力は、画質や機能性以上にそのシンプルさにあります。

Ricoh GRで撮り続けたモンゴルの写真展
MONO GRAPHY Camera & Art(小伝馬町)にて、Ricoh GRで撮影をした写真展を開催しています。
今回の作品はモンゴルで撮影しながらも、長く発表の機会を持てずにいた写真たち。
コムロミホさん、スタッフの塚本さんと何気ない会話から展示の話が生まれ、改めて写真を見返す時間ができました。
広大な風景に対して、私はあえてコンパクトカメラでの撮影を選びました。
軽やかな構図と小さな偶然、それが今回の作品の出発点です。
写真を整理する中でとある体験にも向き合うことになりました。
本展では、ふたつのステートメントをご用意しています。
A面には、コンパクトカメラという道具を選んだ理由。
B面には、記憶を再構成しながら生まれたもうひとつの物語。
レコードやカセットのように、面を変えるたびに見えてくる別の風景。
写真とテキストが行き来しながら、ひとつの風景をかたちづくります。
予定調和の非日常があふれる時代に、それでもまだ未知の何かを探すようなまなざしを。
「手のひらに降るもの」は、そんな問いかけから生まれた作品です。

シンプルな道具が導いた視線
来場された方と「GRはいいよね」という話になると、多くの場合はその画質や機能性が話題に上がります。
もちろんそれらも魅力のひとつですが、私が何より惹かれているのは、その “シンプルさ” です。
気になるものがあれば、電源を入れてシャッターを切るだけ。
迷うことなくその場の直感で応答できる。
単焦点レンズゆえにズームの選択肢もなく、むしろその制約が純粋に「見たい」と思ったものを写真として立ち上げてくれる気がします。
どんな距離であれ、どんな瞬間であれ「撮ること」と「見ること」が限りなく近くにある。
それが私にとってのGRのいちばんの魅力です。
写真展会場では新作写真集のほかに、ダークブラウン(MONO GRAPHY Camera & Art 限定色)のハンドストラップなどMONGOO製品も販売しています。ぜひ、お手に取ってください。

武藤裕也 写真展 「手のひらに降るもの」
・2025年5月22日(木)~6月8日(日)
